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映画研究、文芸批評、テニス評論

2016-03-23から1日間の記事一覧

『ブリッジ・オブ・スパイ』讃

冒頭、鏡に映る虚像として画面に導入されたソ連のスパイ(ということになっている男)は、続いて彼が描いている自画像に媒介された後で、初めて直接カメラの前に顔を晒すことになる。ここで強調されているのは彼を見つめる他者の視線の不在であり、じっさい…