There's Something Fishy

映画研究、文芸批評、テニス評論

夢日記

こんな夢を見た。

僕は友人の中国人男性と一緒にとあるオークションの会場にいた。場所は中国らしい。友人の目当てはスヌーピーがプリントされた限定Tシャツで、オークションは1,000ドルから始まり(中国なのになぜかドルだった)、あれよあれよと間に3,000ドル、5,000ドル、8,000ドルと上がっていき、遂には一万ドルを超えた。もはや友人の手の届く金額ではなかった。

最終的な落札価格は15,000ドルだった。一見何の変哲もないスヌーピーのTシャツに300万円弱の値がついたわけだ。競り落としたのは若い中国人女性(20歳そこそこに見えた)だった。全身を趣味の良いブランド品で固めており、見るからに金を持っていそうな女性だった。その若い中国人女性の隣には、同じ年頃の日本人女性がいた。そして、どうやらその日本人女性は僕の妹らしい(現実には僕に妹はいない)。落札後、二人は何か言い争いをしているようだった。中国人女性は、落札したばかりのTシャツを妹に向かって投げつけ、その場を立ち去った。僕は妹のそばへ近づいた。

妹の話によれば、中国人女性は妹にあげるためのそのTシャツを落札したらしい。にもかかわらず、当の妹が喜ぶどころか不満げだったことに腹を立てたようだ。スヌーピー好きの妹が思わず「かわいい」と言ったのを聞いた中国人が、「やめて、そんな高いTシャツいらないから」といって止める妹の声を無視して一気に値をつり上げてしまったらしい。「UNIQLOにいけば1,000円や2,000円で買えるものに15,000ドルも出すなんて馬鹿げている」と妹は言った。

「彼女はいつもそうなの。勝手に親切を押し売っておいて、それが受け入れられないと怒り出してしまうの」「でもいいのよ、それが彼女なりのバランスの取り方だから」「お金なら腐るほど持ってるのだけれど、それを使いあぐねているの」「いいの、私に構って喜んだり怒ったりしているのが彼女には楽しいんだから」「どうせ明日になれば今日のことなんかすっかり忘れてまた連絡してくるわ」「あの人は、私なしじゃ生きられないんだもの」

中国人女性は妹のことが大好きらしく、妹も彼女のことを憎からず思っているようだった。「男なんか嫌い。ろくなやつがいないから。男と付き合うくらいだったら、彼女と一緒にいた方がずっとマシ」そんな風に言っている妹を前にして、ふと自分と一緒に来ていた中国人の友人男性を紹介してみたらどうだろうかと思ったところで目が覚めた。

目覚める直前、オークション会場の時計がはっきり見えた。間違いなく11時20分を指していた。目を覚まして枕元のデジタル時計を確かめると、表示は11時20分になっていた。